
ぬいぐるみは見た目も可愛く、癒しの存在。ですが、気づけばどんどん増えていき、部屋のあちこちを占領している…そんな経験、ありませんか?
「思い出があるから捨てられない」「収納場所がなくて困っている」そんな方のために、お片付けのプロ・整理収納アドバイザーが提案する、ぬいぐるみ収納のコツとアイデアをたっぷりご紹介します。
目次
ぬいぐるみ収納が難しい理由とは?
どうしてもうまく収納できず、部屋のあちこちを占領してしまっているぬいぐるみ…。ぬいぐるみが収納しづらい理由は、どこにあるのでしょうか?
・かさばる:サイズが不揃いで、型崩れしやすい
・捨てにくい:感情や思い出が詰まっている
・数が増えやすい:お祝い、旅行、プレゼントで増えていく
・用途がないが存在感が強い:使わないけど、存在感があるため片付けにくい
ぬいぐるみが収納しづらいと感じるのは、上記のような理由があるからです。
そのため、ぬいぐるみを上手に収納するためには、「収納=しまう」ではなく、暮らしに溶け込む整理整頓の工夫が必要です。
ぬいぐるみ収納の基本ルール|「しまう」より「整える」が鍵!
ぬいぐるみは、ただの「モノ」ではなく、感情や思い出が宿る特別な存在。だからこそ、単純に押し込むだけの収納ではなく、愛着を大切にしながら“整える”収納を意識することが大切です。
この章では、誰でもすぐに実践できる「ぬいぐるみ収納の基本ルール」を3つご紹介します。収納の第一歩として、ぜひこの考え方を取り入れてみてください。
ルール1:出す数を決める「お気に入り○個まで」
ぬいぐるみが部屋にあふれてしまう原因のひとつが、「気づかないうちに数が増えている」こと。まずは“今、飾るぬいぐるみの数”を明確に決めることが、収納の第一歩です。ぬいぐるみを「選ぶ」という行為は、持ち主の“気持ちの整理”にもつながります。お子さまと一緒にルールを決めれば、自分で管理する力も育まれます。出す数を「制限」するのではなく、「お気に入りを選ぶ」視点でポジティブに選ぶようにすると、お子様も抵抗なく選ぶことができますよ。
例)・棚に飾るぬいぐるみは10体まで、ベッドの上は3体まで
・一軍(よく触る)と二軍(保管)を分けてローテーション
ルール2:定位置を決める「ここに戻す」の習慣化
「ここに戻す」という収納場所を設定することで、散らかりを防止できます。ぬいぐるみにも“おうち”を作ってあげましょう。遊んだ後、眠る前、掃除の時など、「戻す場所」が決まっていれば、自然と片付けが定着します。「定位置がない」と、毎回どこに置こうか迷い、そのうち出しっぱなしに…。それを防ぐには、収納エリアに役割を与えるのが効果的です。さらに、ぬいぐるみの名前シールや居場所ラベルを貼ると、子どもにも分かりやすく楽しめます。
例)カラーボックス1段分を「ぬいぐるみの家」に設定
ルール3:分類して収納する「ごちゃごちゃ感」を回避
ぬいぐるみは色もサイズも形もバラバラ。それを何も考えずにまとめて収納すると、どうしてもごちゃついて見えてしまいます。そこでおすすめなのが分類収納です。大きさ、キャラクター、色などでグループ化することで取り出しやすくなります。分類することで収納の見た目が整うだけでなく、「どこに何があるか」が一目で分かるようになり、探す手間も大幅に減ります。ラベルや色分け収納ボックスを活用すると、分類がより視覚的に分かりやすくなります。
例)・サイズ別:大・中・小に分類して収納ボックスを分ける
・種類別:動物系、キャラクター系、ファンシー系などで分類
・使用頻度別:毎日触る子・季節限定・記念品などで分ける
ぬいぐるみ収納アイデア15選|おしゃれに片付けるテクニック
ここからは、実用的かつ見た目も可愛い収納アイデアを15個ご紹介します。どのアイデアも、ぬいぐるみを「片付ける」のではなく、「魅力を活かして暮らしに取り込む」ための工夫です。ご家庭の空間やライフスタイルに合わせて、ぜひ取り入れてみてください。
1. 壁面収納(ウォールラック)
飾るように収納するなら、オープンラックが◎。壁を有効活用できます。壁面を活かすことで床を広く保てるため、部屋がすっきり見える定番の収納方法です。無印良品やIKEAのウォールシェルフを活用すると、見た目もおしゃれに仕上がります。大きさや色をグループごとに並べると、統一感が出て雑然と見えません。
2. 吊り下げネット・ハンモック
軽いぬいぐるみにぴったりのデッドスペースを生かせる収納アイテム。天井や壁の隅に設置するネットタイプのハンモックは、軽いぬいぐるみをまとめて収納するのに最適です。収納しながら飾るような印象を与えるため、お子さま部屋にもぴったり。デッドスペースを有効活用でき、取り出しやすさも◎。
3. カラーボックス+ボックス収納
100均や無印良品などの収納ボックスと組み合わせることで、スッキリ&整理しやすく。手軽に手に入るカラーボックスに、布製やプラ製の収納ボックスを組み合わせることで、統一感のある「見せない収納」が完成します。ラベルでジャンル分けしておくと、お子さまでも整理整頓しやすくなります。「動物系」「キャラクター系」「季節モノ」などに分類してみても。
4. ベッド下収納
ローテーション収納としておすすめ。今飾っているぬいぐるみと入れ替えながら、ベッド下に保管することで気分転換にも。キャスター付きの浅型収納ケースを使えば、出し入れもスムーズです。防虫・防塵のために蓋付きタイプや除湿剤を併用するのがコツ。
5. ガラスケースやショーケースに飾る
お気に入りのぬいぐるみをディスプレイ感覚で飾るとインテリアにもなります。高級感を演出したい方や、大切なぬいぐるみをホコリから守りたい方に最適。LEDライト付きのコレクションケースを使えば、ぬいぐるみがまるで展示品のような存在感に。掃除がラクで、見せるインテリアとして映えます。
6. 突っ張り棒+布ネット
クローゼット内でも活用可能。DIYが得意な方におすすめ。突っ張り棒と100均のネットを組み合わせて、オリジナルの吊り下げ収納を作るのもおすすめ。クローゼット内や部屋の一角に手軽に設置できます。アイデア次第でさまざまな形に応用可能。
7. クローゼットの上段にまとめる
普段は出番の少ないぬいぐるみや保管用アイテムは、クローゼットの上段スペースを活用しましょう。収納ボックスにまとめてラベリングすれば、取り出しやすさも確保できます。重ねすぎると型崩れするので、中身が見える透明ボックスがおすすめです。
8. IKEAのぬいぐるみ収納ケースを活用
IKEAのSKUBBシリーズなどは、軽量かつ大容量かつ見た目もシンプルでぬいぐるみ収納に最適。取っ手付きなので高い場所にも出し入れしやすく、クローゼット内収納にもぴったりです。おしゃれな北欧デザインで、部屋の統一感を損なわないのも魅力。
9. 収納スツール(座れる収納ボックス)
インテリアと収納の両立が可能。一見すると椅子やオットマンのように見えるけれど、中は収納スペース。リビングに置いても違和感なく、急な来客時にもパッと片付けられる万能アイテムです。家具+収納の一石二鳥アイテム。
10. 吊るす収納バッグ
ドアの裏や壁に掛けることができる縦長の収納バッグは、空間を邪魔せずすっきり収納できます。透明ポケットタイプなら中身が見えて取り出しやすいのも嬉しいポイント。省スペースで整理でき、掃除もしやすくなります。
11. ランドリーバッグで仮収納
ぬいぐるみが一時的に増えたときの“逃げ場”として便利。急な来客や一時的に片付けたいときは、布製のランドリーバッグが活躍します。柔らかい素材で型崩れしにくく、容量も大きめなのでサッと収納可能。移動も簡単なので、お子さまのおもちゃ収納にも応用可。
12. 天井からの吊り棚DIY
スペースに余裕がある場合に。見せる収納としてインパクト大。空間を縦に使いたい方におすすめ。木製の棚板を使って、天井から吊るすスタイルの収納にすれば、インテリアのアクセントにもなります。耐久性と安全面を確認した上で設置しましょう。おしゃれなカフェ風ディスプレイが好きな方に人気。
13. カーテンレールに吊るす
布製ネットやポーチで、見た目にも楽しい収納に。ちょっとユニークなアイデアですが、カーテンレールにフック付きポーチやネットを吊るすことで簡易収納が可能。ぬいぐるみの軽さを活かした収納法です。お子さまのお気に入りを“今日の主役”として飾ってみても◎。
14. 階段下・押し入れスペースを活用
使わないぬいぐるみを保管する“倉庫ゾーン”として活用。「普段は触らないけど捨てたくないぬいぐるみ」は、階段下収納や押し入れがベスト。中身が分かるようラベル管理することで、後から取り出すときにも便利です。収納ゾーンの整理が苦手な方は、プロのサポートもおすすめです。
15. ワゴン・縦型収納を取り入れる
狭い場所でも有効活用できる、省スペース収納術。限られたスペースでも収納力を確保できるのが、ワゴンや縦型のラック。ぬいぐるみのように軽量なアイテムには特に向いています。ワンルームや子ども部屋など、省スペースな場所でも大活躍。
捨てられないぬいぐるみとの向き合い方
〜「残す」でもなく「捨てる」でもない、納得できる選択を〜
ぬいぐるみを手放すのがつらい——それは、あなたがモノを大切にする、優しい人だからです。ぬいぐるみには、見た目の可愛さだけでなく、思い出・感情・ストーリーが詰まっています。
・初めて自分で買ったお気に入りの一体
・子どもが赤ちゃんの頃から一緒に過ごしたぬいぐるみ
・旅行先で出会った限定キャラ
・亡き人から贈られた大切な贈り物
こうした背景があるからこそ、単に「いらないから捨てる」という判断はできませんし、する必要もありません。
ここでは、「捨てたくない」気持ちに寄り添いながら、心が納得できるような向き合い方をご紹介します。どうしても手放せないぬいぐるみ。そんなときは、以下の方法で“気持ちに折り合い”をつけてみてください。
新しい役割を与える:寄付・譲渡・リユースという選択肢
「まだきれい」「誰かに使ってもらえたら…」そう感じるぬいぐるみは、次の持ち主にバトンを渡すという方法もあります。誰かの手に渡って、再び誰かの心を癒す——そんな未来があるなら、手放すことへの抵抗も少し軽くなるかもしれません。
主な手段:
▽保育園・児童館・小児病棟などに寄付
※事前に清潔な状態にし、引き取りの可否を確認しましょう。
▽フリマアプリ・リサイクルショップで譲渡
思い出話を添えて出品すれば、共感を得やすくなります。
▽支援団体やNPOに寄贈
被災地支援や海外支援として、ぬいぐるみを受け入れている団体もあります。
「セカンドライフ(https://www.ehaiki.jp/second/)」
「ありがとうブック(https://www.39book.jp/doll/)」など
心を込めて見送る:ぬいぐるみ供養という方法
「ぬいぐるみを捨てるのではなく、卒業させてあげる」ことで、気持ちの整理もつけやすくなります。「捨てる」でも「譲る」でもなく、“感謝を込めてお別れをする”という選択肢もあります。日本には、昔から「人形供養」「ぬいぐるみ供養」といった風習があり、感情のこもったモノを丁寧に送り出す文化があります。お焚き上げやぬいぐるみ供養を受け付けている寺社も増えています。心の節目として「ありがとう」を伝えながら送り出せるのは、自分自身の気持ちの整理にもつながります。
供養の手段:
▽お寺や神社でのぬいぐるみ供養
例:東京都渋谷区「明治神宮」/東京都西東京市「田無神社」など
▽郵送対応のぬいぐるみ供養サービス
箱に詰めて送るだけで、合同供養をしてくれるサービスも多数あります。
「人形の久月 供養サービス」
「みんなのお炊き上げ(https://www.otakiage.com/about/#stuffedtoy)」など
無理に捨てなくていい。「分けて考える」という選択も
収納に困っているからといって、すべてを一気に手放す必要はありません。
まずは、「今、飾っていたい子」「保管したい子」「役割を終えた子」に分けてみましょう。一度に全てを判断しなくても大丈夫。「時間をかけて整理する」ことも、ぬいぐるみへの優しさの一つです。
分け方の一例:
今飾る(現役):毎日見ていたい、お気に入りのぬいぐるみ(数点)
保管する(控え):思い出としてとっておきたいが、飾るスペースがないもの
手放す(卒業):気持ちの整理がついてきたもの、飾ることも少なくなったもの
ぬいぐるみ収納に悩んだら、プロに相談するのもひとつの方法
「ぬいぐるみが多すぎて、どこから手をつければいいかわからない…」
「思い出があって捨てられないけれど、このままでは片付かない…」
ぬいぐるみ収納のお悩みは、単なる“モノの片付け”にとどまりません。そこには、「家族の思い出」「感情との向き合い」「空間の使い方」といった、複雑な気持ちや暮らしの背景が絡んでいます。
感情や思い出と関わるぬいぐるみ収納は、とても繊細。だからこそ、第三者であるプロに相談することで、思いがけない選択肢や整理の糸口が見つかることもあります。
まとめ|ぬいぐるみ収納は“捨てる”ことではなく“整える”こと
ぬいぐるみは、私たちの心を癒やしてくれる大切な存在です。だからこそ、無理に手放すのではなく、暮らしの中に心地よく収める工夫が求められます。
今回ご紹介したアイデアや考え方を参考に、ぜひご自身やご家族に合った収納スタイルを見つけてみてください。
そして、「どうしても片付かない」「自分では難しい」と感じたら、ぜひ整理収納のプロ集団のハート・コードにご相談を。あなたとぬいぐるみたちが、より快適に暮らせる空間づくりを、全力でサポートいたします。
有賀照枝
株式会社ハート・コード代表
・ハウスクリーニング技能士
・整理収納アドバイザー
・整理収納コンサルタント
・整理収納アドバイザー2級認定講師
・整理収納アカデミアマスター
・オフィス環境診断士
・ファイリングデザイナー検定1級
・電子ファイリング検定A級