
今までは難なくできていたことが、この頃はしんどくなってきた。
すぐに疲れてしまって、家の中が荒れてしまった。
この頃、つまづきやすくなった。
歳を重ねると、これまでできていたことが困難になって、長年過ごされているご自宅でも暮らしづらさを感じるようになります。少しでも快適に安全に暮らすためには、ご自宅内を片付けることが大切です。今回は高齢者の片付けの必要性と進め方について解説いたします。
高齢者の片付けの必要性
多くの方が片付けに関心を持つようになった昨今。ご高齢の方にとっての片付けの必要性とはどこにあるのでしょうか?
①安全に暮らすことができる
たくさんのものが収納内に収まりきらず、床に直置きされていたり、天井近くまで積みあがっていたり…。ものが多くごちゃついている状態では、家庭内に居ながらにして転倒するリスクが高まります。また、地震などの災害時のみならず、ちょっとものを取ろうとしたら積み重なっているものが崩れて埋もれてしまう、頭などに当たってケガをしてしまうという危険性も高まります。
片付けをすることで、生活スペースや通路をしっかり確保でき、安全に暮らすことができるようになります。
②楽に暮らすことができる
片付いていなくごちゃついた状態であると、何をするにしても、ものをどけてから、探し物をしてから、行なわなくてはなりません。
また、目に入るものの量が多くなると、それだけでも疲れてしまうものです。掃除をしなくちゃと思っても、目に入ってくるものの量にげんなりしてしまって、動く前に疲れてしまうということも。
片付けをして不要なものを取り除くことで、必要なものが簡単に出し入れしやすくなり、視覚的なストレスも軽減し、楽に暮らすことができるようになります。
③サポートを受けることになった時に困らない
ものが多く何がどこにあるのかわからない状態だと、家族や介護ヘルパーなど第三者にサポートをお願いする時に必要なものを見つけられず手間取ってしまいます。
また、自宅で介護を受けることになった時にも、ものに囲まれた状態では介護をする側もされる側もうまく身動きが取れずに苦労します。
片付けをして、ものの所在を明確にし、動くためのスペースをきちんと確保すると、いざサポートを受けることになった時にも困りません。
高齢者の片付けの進め方・コツ
ご高齢の方が、安心安全に、そして、快適に暮らしていくために必要となってくる片付け。この項目では、具体的な片付けの進め方やコツをご紹介いたします。
片付けの基本
片付けは、①分別→②グループ分け→③収納という手順で行なっていきます。
①「いるもの」「いらないもの」「保留」に分ける
片付ける箇所を決めたら、そこに入っているものを全て出し、「いるもの」「いらないもの」に分けていきましょう。判断に迷ったもの、使ってはいないけれど手放しがたいものなどは、「保留」とし、まとめておきましょう。無理に判断しようとすると、それだけで疲れてしまい片付けが嫌になってしまいます。片付けを進めていく内に、判断がスムーズにできるようになってくるので、最初のうちは迷ったら「保留」にして、進めていくことがおすすめです。
②用途ごとやアイテムごとなどにグループ分けする
分別が終わったら、今度は「いるもの」を用途ごとやアイテムごとなどにグループ分けしていきます。
例えば、「通院時に使うもの」「趣味に使うもの」「手紙を書く時に使うもの」のように使う用途で分けると、必要になった時にまとめて取り出すことができます。また、洗剤や食器用スポンジ、はぶらしやボックスティッシュなどの消耗品のストックは、アイテムごとにまとめることで、どのくらいのストックを持っているのかが一目瞭然になり、無駄買いを防ぐことができます。
③使用頻度を考えて収納し、ラベリングをする
グループ分けが済んだら、使用頻度を考えて収納していきます。
全てのものを使いやすい位置に収納することができればよいのですが、なかなかそれは難しいので、よく使うものから優先的に手に取りやすい位置に収納していきます。あまり使わないものは少し取り出しにくい位置に収納することになりますが、無理なく出し入れできるところに収納するようにしましょう。
収納場所が決まったら、何が入っているのかがわかるようにラベリングをしましょう。ラベリングをすることで入れたものを忘れることがなくなり、家族などの第三者にもわかりやすくなります。
進め方・コツ
ついつい、片付けをしよう!と思うと、「一部屋まるごと」「キッチン全体」…というように広範囲に取り掛かりたくなってしまうかもしれません。でも、たくさんのものを一気に片付けようとすると、そこに収まっているものを出すだけでも大変です。全部出せたとしても、その物量を見ただけで疲れてしまって、結局片付けができなかった…ということも起こりえます。
「引き出しひとつ」「棚一段」「段ボールひと箱」のように小さなスペースから片付けていくようにしましょう。
また、身の回りでよく使う場所から片付け始めると、変化が感じられやすく達成感につながります。達成感を感じることができれば、片付けを続けようという意欲も出てきます。
普段過ごしている場所・よく使うものから始めて、だんだんと片付けの範囲を広げていきましょう。
高齢者が片付けをする際の注意点
・スペースを確保する
片付けは、片付けようと思っている引き出しや棚などに入っているものを全て出してから行ないます。あまり狭い場所で行なおうとすると、せっかく仕分けたものが混ざってしまったり、身動きが取りづらくて転倒してしまう危険があります。そのため、ものを出すことができる充分なスペースを確保してから、片付けに取り掛かりましょう。
・無理をしない
片付けをする際は、重いものや高いところにあるものなどを出し入れしなくてはならないこともあります。無理に出し入れしようとして、ケガをしてしまっては大変です。出し入れが難しいと感じるものは、ご家族などに頼むなどして、無理せず進めるようにしましょう。
・短時間だけ行なう
片付けはものの出し入れをするという力仕事である上に、いるのかいらないのかを判断する頭脳労働でもあります。あまり長時間頑張りすぎてしまうと、肉体的にも精神的にも疲れ切ってしまいます。無理せず、短時間だけ行なうようにしましょう。
片付けを検討している高齢者の方へ
ご高齢の方が、安心安全に、そして、快適に暮らしていくためにはお部屋の片付けは重要となってきます。片付けは大変な作業ですが、時にはご家族の力も借りながら、少しずつ無理なく進めていけるといいですね。
もしも、ご自身だけで片付けを進めることが難しい、ご家族に頼りたくても頼ることができないという場合は、片付けのプロに依頼するという方法もあります。
片付けのプロは、片付けに長けているだけでなく、より暮らしやすくおうちを整えるサポートをしてくれます。片付けの実作業(ものの出し入れ・収納)も行なってくれるので、お一人暮らしでも安心して任せることができます。
・ハート・コードのお片付けサービス
弊社ハート・コードはスタッフ全員整理収納アドバイザーの、お片付けの会社です。スタッフは全員女性。片付けのプロのノウハウと女性ならではの細やかな心配りで、お客様のお気持ちに寄り添ったお片付けを進めてまいります。
また、スタッフ全員、お掃除の資格を保有する「お掃除のプロ」でもあります。ご高齢のお客様へのサポート実績も豊富なので、歳を重ねたからこそのお悩みにも寄り添って、暮らしやすいおうちに整えていくことが可能です。
お片付けにお困りの際には、ぜひとも一度ハート・コードにご相談ください。ご連絡お待ちしております!
記事監修:有賀照枝(整理収納アドバイザー、整理収納コンサルタント)