飲食店の経営者や店長、そして、従業員の皆様にとって、ホールはお客様を迎えるおもてなしの舞台。もちろん、ホールの清潔感には気を配っていることでしょう。では、バックヤードはどうでしょうか?
「お客様から見えない場所だから」「忙しくて手が回らない」という理由で、食品や調理器具などが積み重なり、どこに何があるか分からない状態になっていませんか?
実は、バックヤードの乱れは、店舗の経営効率や衛生管理、さらには従業員のモチベーションにまで悪影響を及ぼします。
本記事では、飲食店のバックヤードが汚くなる原因を深掘りし、放置するリスクや具体的な改善策について徹底解説します。
飲食店のバックヤードが汚い状態とは?
そもそも「汚いバックヤード」とはどのような状態を指すのでしょうか。単にゴミが落ちているだけでなく、以下のような状態が常態化している場合は注意が必要です。
・床に直接物が置かれている
納品された食材や備品の段ボールが、棚に入れられず通路を塞いでいる。
・私物と備品の混在
従業員のバッグや上着、飲みかけのペットボトルが、店舗の備品や食材と同じスペースに置かれている。
・在庫の把握ができない
奥の方から期限切れの食材が出てきたり、同じ備品を何度も発注してしまったりする。
・清掃用具の放置
濡れたままのモップや、汚れた雑巾が整理されずにバックヤードに放置され、異臭やカビの原因になっている。
このような状態は、単に見栄えが悪いだけでなく、店舗運営の基盤が揺らいでいるサインと言えます。
主な原因
なぜ、飲食店のバックヤードはこれほどまでに汚れやすいのでしょうか。主な原因は以下の3点に集約されます。
1:整理整頓のルールが共有されていない
バックヤードが汚くなってしまう原因でものは、「何をどこに置くか」という定位置が決まっていないということです。従業員ごとに置き場所がバラバラだと、探す手間が増え、結果として「とりあえず空いているスペースに置く」という悪循環が生まれます。
2:業務が忙しく、片付けの時間が確保できない
飲食店はランチタイムやディナータイムなどのピークタイムの忙しさが激しく、どうしても接客や調理が優先されます。「後で片付けよう」と思ったまま営業が終了し、翌朝にはまた新しい食材が納品される……。この繰り返しのなかで、片付けの優先順位がどんどん下がってしまうのです。
3:従業員の意識の差と入れ替わり
「汚くても仕事はできる」と考える従業員がいる一方で、「きれいな環境で働きたい」と思う従業員もいます。しかし、明確なマニュアルがないため、意識の高い従業員に負担が偏り、結果として全体的な環境改善に至りません。また、従業員の入れ替わりが激しい店舗では、片付けのルールが正しく伝承されないことも原因の一つです。
放置するリスク
こうしてどんどん乱れていってしまったバックヤード。そのバックヤードを汚いままで放置することは、経営上大きなリスクを伴います。
リスクの1つ目は、衛生面の問題と害虫の発生のリスクです。食材のカスや水分が残った環境は、ネズミやゴキブリなどの害虫、細菌の繁殖を招きます。これが厨房に侵入すれば、食中毒や異物混入といった、店舗の存続に関わる重大な事故につながります。
リスクの2つ目は、作業効率の低下による人件費の増大です。 必要な備品を探す時間は、積み重なれば大きなロスになります。1日15分、物を探す時間があるだけで、1ヶ月(30日)では7.5時間分もの人件費が無駄になっている計算になります。
リスクの3つ目は、従業員のメンタルへの影響です。雑然とした環境での仕事は精神的なストレスを生みます。「どうせ汚いからいいや」という投げやりな気持ちは、接客の質の低下や早期離職を招く要因となります。
【飲食店】バックヤードの整理整頓の基本とコツ
汚いバックヤードを劇的に変えるためには、一時的な「掃除」ではなく、持続可能な「仕組み作り」が必要です。ここでは、整理整頓の基本と、飲食店ならではのコツを紹介します。
整理整頓の基本
整理整頓の基本は、いわゆる「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」です。特にバックヤード改善においては、最初の「整理」と「整頓」を徹底しましょう。
・整理(捨てる)
まずは「必要なもの」と「不要なもの」を完全に分けます。使っていない古い販促物、期限切れの食材、壊れた備品などは思い切って処分してください。
・整頓(配置)
必要なものの「定位置」を決めます。ポイントは「取り出しやすく、戻しやすい」こと。重いものは下、軽いものは上、使用頻度の高いものは使いやすい場所や手前という鉄則を守りましょう。
コツ・注意点
この項目では、飲食店がバックヤードを美しく保つための具体的なテクニックをご紹介します。
・「浮かす」収納の徹底
飲食店のバックヤードでは、床に物を置かないことが鉄則です。スチールラックを活用し、床から15cm以上浮かせて収納することで、隅々まで掃除がしやすくなり、害虫の住処をなくすことができます。
・ラベリングで「見える化」
棚のどこに何を置くかが決まったら、ラベルで見やすく表示しましょう。「ここには予備の割り箸」「ここには洗剤」と一目で分かるようにすれば、新しい従業員でも迷わず片付けられます。
・私物持ち込みルールの厳格化
従業員の私物がバックヤードを圧迫しているというケースは非常に多いです。個人用ロッカーを設置するか、持ち込み可能なバッグのサイズを指定するなど、私物と店舗備品が混ざらない仕組みを作りましょう。
・「5分間の整理整頓タイム」をシフトに組み込む
営業終了後の清掃時間とは別に、納品後の5分間や、アイドルタイムの数分を使って「整理整頓タイム」を設けます。短時間で集中して行うことで、負担感を減らすことができます。
【企業向け】片付けサービスについて
「自分たちで改善しようとしたけれど、どこから手をつけていいか分からない」「一度プロに基盤を作ってほしい」という企業・店舗様には、プロの片付けサービスの活用がおすすめです。
ハート・コードでは、単なる片付け代行ではなく、現場の動線を考慮した「仕組み作り」としての整理収納サービスを提供しています。HACCP改善整理コンサルタント資格を保有する専門スタッフも在籍。衛生管理を意識した職場づくりのサポートをさせていただきます。
・ハート・コードの飲食店様向け片付けサービスの特徴
現場に合わせた動線設計: 厨房とバックヤードをスムーズに行き来できる配置をプロの視点でご提案します。
持続可能な仕組みづくり: 従業員の皆様の誰もが維持できるようなラベリングや収納方法を構築し、リバウンドを防ぎます。
衛生管理の向上: 整理整頓されることで清掃が行き届きやすくなり、店舗全体の衛生レベルが底上げされます。
バックヤードが整うと、従業員の動きが変わり、お店全体の雰囲気まで明るくなります。コスト削減と売上向上を実現するための「投資」として、プロの整理収納を取り入れてみてはいかがでしょうか。
バックヤードの整理整頓に取り組むなら
飲食店のバックヤードは、いわば「舞台裏」です。舞台裏が整っていない舞台で、最高のパフォーマンスを届けることはできません。
バックヤードが汚い原因は、個人の怠慢ではなく「仕組み」の欠如にあります。まずは現状を把握し、不要なものを捨てるところから始めてみましょう。環境が整えば、従業員の仕事に対する意識が変わり、結果としてお客様に提供するサービスの質も向上します。
「清潔な店舗」への第一歩は、バックヤードの整理整頓から始まります。
ー ハート・コードとバックヤードを整えて、清潔な店舗へ ー
私たちハート・コードは、整理収納を通じて「働く人と場所の調和」を創造します。
飲食店のバックヤードは、美味しい料理と温かいおもてなしを支える、最も大切な拠点。そこが整うことで、従業員は誇りを持って働くことができ、店舗は本来の輝きを取り戻します。私たちは、表面的な片付けにとどまらず、その場所で働く人々の心にまでゆとりが生まれるような環境づくりをサポートします。
バックヤードから、飲食業界をより美しく、より健やかに。
ハート・コードは、志を共にする首都圏の飲食店の皆様のパートナーとして、清潔で効率的な店舗運営を共に作り上げます。
ぜひ、お気軽にご相談ください。

高橋ひかる
株式会社ハート・コード所属 コラム・インスタ担当
・整理収納アドバイザー
・クリンネスト
・デジタル整理アドバイザー2級
・ホームヘルパー2級
・ファイリングアドバイザー
※記事監修:有賀照枝(整理収納アドバイザー、整理収納コンサルタント)








