2021年6月より全ての小規模飲食店において、HACCPによる衛生管理の導入が完全義務化となりました。導入の義務化に伴い、HACCPについてしっかり学びたい、HACCP関連の資格を取得したいと考える方も増えてきたことと思います。
今回は、そんなHACCP関連資格の種類や難易度、取得のメリットについて解説していきます。
HACCPに関連する資格とは?
そもそもHACCPとはどのような衛生管理手法のことを指すのでしょうか?
HACCP(ハサップ)とは、Hazard(危害)、Analysis(分析)、Critical(重要)、Control(管理)、Point(点)の5つの言葉の頭文字をとって作られた言葉です。健康に被害を及ぼしかねない有害物質や異物の混入などの危険を分析し、その有害物質や異物を減少・除去するためのルールを作成することによって、食品の安全性を保つことを目的とした手法のことです。
そんなHACCPに関連する資格には、主に以下の4つの資格が挙げられます。
・HACCPリーダー
・HACCP管理者資格
・HACCP普及指導員
・HACCP改善整理コンサルタント
ここで注意していただきたいのは、HACCP関連資格の取得はHACCPの認証を受けるということとは別であるということです。「認証」というのは、「当該企業が第三者機関によってHACCPを導入していることが認められている」ということであり、飲食店や食品関連企業などへ付与されるものを指します。一方で、「関連資格の取得」は、該当の講座の受講や実務経験年数などによって、個人に与えられるものを指します。
HACCP関連資格の種類・難易度
この項目では先程挙げた4つの関連資格について、詳細や難易度などを解説いたします。
・HACCPリーダー
「HACCPリーダー」は、一般財団法人日本規格協会が定めている資格。HACCPの構築やその衛生管理システムの運営を中心となって行なうことができる人材に与えられる資格です。
一定の実務経験と3日間の講習の受講が資格取得条件となっています。一定の実務経験とは、フードチェーン関連事業に関する実務経験2年以上、もしくは、食品安全マネジメント関連分野での実務経験半年以上が該当。実務経験が必要となるため、取得の難易度は高いと言えます。
・HACCP管理者資格
「HACCP管理者資格」は、一般社団法人日本食品保蔵科学会が定めている資格。HACCPの管理者としての知識や技術向上を目的とした資格です。基礎科目認定とHACCPワークショップ認定の2種類の取得が必要になります。4年ごとに資格の更新が必要です。
・HACCP普及指導員
「HACCP普及指導員」は、公益財団法人日本食品衛生協会が定めている資格。HACCPに関する知識を持ち、HACCPの構築や検証行なうことが可能な資格です。研修を受けたのちに申請を行なうことで資格の取得が可能です。試験もないので、難易度は低いといえるでしょう。
・HACCP改善整理講座
「HACCP改善整理講座」とは、一般社団法人改善整理コンサルタント協会が認定する改善整理コンサルタントが飲食店事業者に向けて行なう資格講座。改善整理コンサルタント資格を有する整理収納アドバイザーがHACCPの考え方に添った店舗の片付け方をお伝えします。講座受講後は、認定証が発行されます。
HACCP関連の資格を取得するメリット
HACCP関連の資格を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。HACCPの導入にあたって、事業者がHACCP関連資格を取得する必要はありません。しかし、HACCPの考えに則った方式で衛生管理を進めていく必要性があるため、しっかりと学びHACCPに対する知識を深めることは導入・運営に大きく貢献すると言えます。また、実際の現場における衛生管理システム構築をうまく行なうためには、知識を持っているということは強みになります。
【飲食店向け】HACCP改善整理講座について
先程も軽く触れましたように、HACCP改善整理講座は飲食店事業者様向けの講座となっています。
弊社ハート・コードでも飲食店事業主様向けのHACCP改善整理講座を行なっております。
講師は、飲食店勤務経験が豊富な、改善整理コンサルタント資格を有する整理収納アドバイザー。HACCP導入に向けた改善整理の前に、HACCPとは何か、具体的にはどのような点を改善していく必要があるのか、どのように衛生管理を行なっていけばよいのかについて、小冊子を用いながら講座を行ないます。
講座の所要時間は90分間。講座後には認定証を発行いたします。レジ横など目につく場所においていただくことで、衛生管理の意識の高いお店として対外的にアピールすることができます。
また、事業者様のみではなく、従業員のみなさまにも合わせてご受講いただくことも可能です。従業員のみなさまにもご受講いただくことで、HACCPの考え方や衛生管理の必要性に対する共通認識が生まれ、より高い効果が期待できます。
HACCPに関連する資格をチェック
ここまでHACCPに関連する資格の詳細や難易度、取得するメリットなどを解説しました。
HACCP導入が義務付けられたとはいえ、どのように導入・運営していけばよいのか、悩ましいことと思います。特に小規模事業主の方は、コンパクトにまとまった講座でHACCPについて学び、実務に落とし込んでいくことが重要になってきます。
もしも、ご自分の店舗にHACCPをどのように導入していったらよいのか、どう改善していけばよいのか学びたいとお考えでしたら、ぜひとも弊社ハート・コードの講座の受講をご検討ください。飲食店勤務経験に基づいた事業主様の悩みに寄り添った講座で、HACCP導入の第一歩をサポートいたします。
- 記事監修:有賀照枝(整理収納アドバイザー、整理収納コンサルタント)